東京国立博物館の表慶館で開催中の『エルメス レザー・フォーエバー』を観てきました。
上海、ローマ、ロンドン、マドリード、香港など世界を巡回してきたエキシビジョンで、テーマはレザーとエルメスの絆。
レザーはエルメスでもっとも重要な素材。馬具工房からスタートして以来、170年以上もの間、情熱を傾け、向き合ってきたレザーとエルメスの関係を探っていきます。
ブランド品には全くと言っていいほど興味がなく、“バーキン”と“ケリー”の違いもよく分かってないのですが(でもこのエキシビジョンでようやく違いが分かりましたw)、先日伺った『日本国宝展』の会場が空くのを待つ間、ちょっと覗き見気分で入ってみました。そしたらこれが面白い! まるでエルメスのテーマパーク! ちょっとのつもりが、軽く30分越え。『国宝展』の時間もあって途中切り上げざるをえなかったので、後日あらためて再訪し、今度はゆっくり拝見してきました。
『エルメス レザー・フォーエバー』は入場無料! ただし、入場するには東京国立館本館正門の左側の専用窓口でチケットを受け取らなければなりません。展覧会の専用ウェブサイトのQRコードを見せる必要があるので事前に確認しておきましょう。
ちなみに総合文化展の入場券を持っていても、正門外の専用窓口でチケットをもらう必要があります。というより、『エルメス レザー・フォーエバー』のチケットで入れば、総合文化展も一緒に観られるので、入場券は買わなくてもOK!
最初のコーナーは≪ノウハウ≫。エルメスの商品で使われる様々なレザーが展示されていて、実際に触れるのがうれしいですね。なめした一枚のレザーからどういう風に裁断するかのかが分かったりして面白い。
そばでは実際に職人さんがケリーバッグを作っています。“ケリー”には内縫いと外縫いの2タイプがあって、会期中に既に内縫いのものが完成。上の写真はちょうど外縫いタイプを作製しているところでした。エルメスのバッグはフランス以外で作られることはなく、まして目の前で見られる機会なんてまずないので、最前列で見るために朝から並んでいる人もいるみたい。
エルメスのバッグがずらーっと並ぶ光景はまるでショップのよう。展示されている商品には使い込まれたバッグもあって、ヴィンテージならでは美しさや風格にエルメスの自信が感じられます。
各部屋にはバッグの形をした説明文があって、これを持ちながら作品を見ることができます。
会場の途中にはオーストリッチの巨大なサイが!!
トーハク・ファンとしては表慶館の変貌ぶりを見るのも楽しいし、建物内を見て回れるのもポイントですね。ちなみに表慶館は迎賓館も手がけた片山東熊の設計で、現在は重要文化財に指定されています。
2階にはエルメスの原点でもある鞍やブーツといった馬具、またグローブやリンゴ用のバッグといった一風変わったスペシャルオーダーを集めたコーナーなどもあり、エルメスの長い歴史を辿ることができます。なぜか乗馬(?)コーナーも。係の方に勧められましたけど、さすがに一人だとちょっと恥ずかしくて乗れません…。
もういちど1階に降りると、“ケリー”と“バーキン”の様々なバリエーションが展示されています。大きさも違えば色も違う。それぞれに異なった印象、味わいがあります。素敵です。
旅をテーマにした部屋も面白かったです。トランクや旅行カバン、シューズやシューズケース、さらには柳細工でできた“ケリー”のピクニック・バッグなどもあって、古き良き時代のラグジュアリーな空気がたまりません。
石膏の彫刻にケリーバッグを持たせているのかと思ったら、なんとホワイトレザー製!
最後の部屋には、宙に浮いた盆栽の周りを“ケリー”や“バーキン”、“コンスタンス”など8つのミニサイズのバッグが飾られていて、もう最後の最後まで驚きと楽しさに満ちています。これだけエルメス気分に浸れて無料だなんて。オススメです。
【特別エキシビション エルメス「レザー・フォーエバー」】
2014年12月23日まで
東京国立博物館 表慶館にて
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