東京都写真美術館で『マイケル・ケンナ写真展 MICHAEL KENNA A 45 Year Odyssey 1973-2018』を観てきました。
20代の頃は写真が好きで、ずいぶんいろいろ写真集を買い集めていたのですが、最近はすっかり疎くなり、すいません、マイケル・ケンナのことも全然知りませんでした。
Twitterでの評判の良さが目に留まって、観に行ったのですが、とても素晴らしかったです。久しぶりにというか、今の自分にもグッとくる写真に出逢えたという気がします。
マイケル・ケンナは風景写真家として知られ、ギャラリーでの個展は日本でも過去に何度かあったようですが、レトロスペクティブという形では日本初なんだそうです。写真家としてのキャリアも45年、写真集も70タイトルに上るということなので、世界的にも有名な方ということです。(全然知らなかった自分が恥ずかしい…)
午後の割と遅い時間に行ったにもかかわらず、会場は若い層を中心に人が結構入っていました。そろそろ会期も終盤ですし、口コミで評判が広まったというのもあるかもしれませんね。ちなみに一部のコーナーの作品を除き、会場内は撮影可能です。
どの写真もモノクロームの風景で、トーンは統一され、静謐とも、孤独とも、詩的とも、神秘的とも、幻想的とも取れる、独特の世界観にとても惹かれます。
自然の写真も、都会の写真も、ピクチャレスクな写真も、コンセプチャルな写真も、社会的な写真も、どこか心象風景のように心に静かに沁みこんでいきます。
日本や中国の風景を写した写真も多くあって、そのモノクロームの深遠な世界は時に水墨画のような幽玄の美さえ感じさせます。最近は日本美術ばかり観てるので、そんな自分にもとても親近感が持てる絵作りでした。
会場の一角には、マイケル・ケンナが1988年からは約12年の歳月をかけて取り組んできたというナチスドイツの強制収容所を撮影した写真の連作があります。第二次世界大戦が終わって何十年も経つにもかかわらず今なお残る死の痕跡には言葉を失います。(ナチス強制収容所の写真は撮影不可)
【マイケル・ケンナ写真展 MICHAEL KENNA A 45 Year Odyssey 1973-2018】
2019年1月27日(日)まで
東京都写真美術館にて
マイケル・ケンナ写真集 (アンビエント・フォト)
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