ミュシャというとアールヌーヴォーを代表する画家ですし、これまでも時々展覧会はありましたが、今回はミュシャのもう一つの顔を象徴する「スラブ叙事詩」を中心とした展示になっています。
「スラブ叙事詩」はミュシャが故郷チェコ・スロヴァキア(現在のチェコ)のプラハに帰国してからの後半生で制作した大作の連作。それまでのフランス時代のアールヌーヴォー的な作品とは雰囲気がかなり異なります。
アールヌーヴォーが個人的にそんなに好みでないので、ミュシャは積極的に観てこなかったのですが、なるほどこういう一面もあったのかというのが個人的には新しい発見でした。
会場に入ると最初のコーナーがその 「スラヴ叙事詩」で、最初に「スラヴ叙事詩」をどーんと観せることで、そのあとに展示されている一連のポスターや装飾画が「スラヴ叙事詩」に連なる源泉として観ることもでき、なかなか興味深く感じました。
(※このスペースのみ写真撮影可です)
「スラヴ叙事詩」がチェコ国外で公開されるのは今回が初。全20点が並ぶ様は正に圧巻です。たぶんこれ、日本の展覧会史上「モナリザ」や「ツタンカーメン」クラスの事件ではないでしょうか、というぐらいに凄い。諸事情も含め、よくこんなデカい作品を持って来れたなと驚きますし、20点全てが展示できる広くて天井の高い空間があったことに感謝。
【ミュシャ展】
2017年6月5日(月)まで
国立新美術館にて
ミュシャ展
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