2015/07/11

歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」


最近歌舞伎から足が遠のき気味なのですが、菊之助が『義経千本桜』で平知盛を初役で務めるというので、早速観てまいりました。

歌舞伎鑑賞教室に行くのも実に5年ぶり(笑)。昼間だと学校の行事で見に来ている学生さんでいっぱいですが、この日は『社会人のための歌舞伎鑑賞教室』だったので、まわりは仕事帰りのサラリーマンやOLさんばかり。とはいえ、そこは『歌舞伎鑑賞教室』なので、昼間と同じく<歌舞伎のみかた>があるわけです。

解説は中村時蔵の次男・中村萬太郎。もう慣れたもので、説明も卒なくこなしてましたが、ちょっとマニュアル的かな?

休憩を挟んで、『義経千本桜』から「渡海屋」と「大物浦」。菊之助の知盛は決してニンではないけれど、それを補って余りある完成度の高さ。さすが器用というか勉強熱心というか、声色もいつもとは違って低く深く発声し、目つきも強く、いろいろ研究してるんだろうなということが伝わってきます。播磨屋の指導もあるんでしょうけど、菊之助の挑んでる感がハンパありません。菊之助、こんなに大きかったっけ?というぐらい、貫録も感じます。

梅枝の典侍の局がまたいい。元来の古風な雰囲気に高貴さや深い感情表現という実を伴った印象を受けました。これも玉三郎に教えの賜物でしょうか。菊之助といい梅枝といい、本興行じゃないのがもったいない出来です。

亀三郎の相模は活き活きと動きもよく、場を盛り上げます。この人の個性が出たいい役だと思います。立役が珍しい右近の入江もまずます。ただまだ役に成り切れてない感じも。萬太郎の義経が清々しい。

恐らくいつか菊之助の知盛は本興行でも演じられるのはないでしょうか。『勧進帳』の弁慶をやりたいと以前語っていた菊之助ですから、弁慶に挑戦する日も近いのかもしれません。


【平成27年7月歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」】
2015年7月24日(金)まで
国立劇場にて


菊之助の礼儀菊之助の礼儀

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