2012/12/30

2012年 展覧会ベスト10

さて、今年も残すところわずか。
この一年を振り返り、今年の展覧会ベスト10を考えてみました。


1位 『蕭白ショック!! 曽我蕭白と京の画家たち』(千葉市美術館)

東博の『ボストン美術館展』と合わせ、蕭白の作品を存分に観ることができたのは今年の最大のトピックでした。正直、とびきり好きな絵師というほどではなかったのですが、この『蕭白ショック!!』で完全にやられました。


2位 『月岡芳年展』(太田記念美術館)

ここ数年、国芳はもういいから芳年を見せてくれと叫び続け、念願叶っての大回顧展。血みどろ絵だけでない、芳年の魅力をたくさん発見できた展覧会でした。楽しかったぁ~。


3位 『美術にぶるっ! 第Ⅰ部 MOMATコレクションスペシャル 』『美術にぶるっ! 第Ⅱ部 実験場』(東京国立近代美術館)

量、質ともに圧倒された展覧会でした。「第2部 実験場」も非常に興味深かったし、「第1部」の近代日本画・洋画の、まるで美術の教科書を見てるかのような充実ぶりもさすが東近美と唸らずにいられませんでした。2回観に行きましたが、もう1回行きたいと思ってます。


4位 『船田玉樹展』(練馬区立美術館)

ほとんど無名の画家ですが、どうしてこの人があまり評価されてこなかったのか不思議なくらい素晴らしい作品の連続でした。練馬区立美術館はこうした埋もれてしまった画家たちを発掘してくれるから好きです。


5位 『ボストン美術館 日本美術の至宝』(東京国立博物館)

やはり今年の前半戦ではこれを抜きにしては語れません。日本画ファン垂涎の傑作がずらり。都合3回も足を運びました。もし泊まり込んでいいのなら、蕭白や光琳や等伯らの作品と寝食を共にしたかったぐらいです(笑)


6位 『白隠展』(Bunkamura ザ・ミュージアム)

後期展示もあるので来年に入れようかとも思ったのですが、ブログをアップしたので今年の展覧会でカウントしました。ちらりちらりと観ていた白隠の全貌がここにきてようやく明らかになったような気がします。


7位 『ジャクソン・ポロック展』(東京国立近代美術館)

10代の頃から好きだったポロック。日本でこんなにポロックの作品をたくさん観られるなんて夢のようでした。


8位 『福田平八郎と日本画モダン』(山種美術館)

“日本画モダン”という括りが面白かったですね。福田平八郎の作品はまとまった形で観たことがなかったので、あらためて福田平八郎の作品の魅力にとりつかれた展覧会でした。


9位 『中村正義展』(練馬区立美術館)

この中村正義も実像をほとんど知らなかった画家で、この展覧会で実際の作品を初めて観て、かなり激しいショックを受けました。こんなエキセントリックな日本画もあるんだと知ったという意味では、今年一番の刺激的な展覧会だったかもしれません。


10位 『マウリッツハイス美術館展』(東京都美術館)

フェルメールもそうですが、個人的にはレンブラントやルーベンスの充実したコレクションには唸らされました。同時期に開催された『ベルリン国立美術館展』(国立西洋美術館)とセットで観られたというのもボリューム感が増した気分になって良かったです。


もしかしたら、今年は今までで一番展覧会に足を運んだ年かもしれません。ずいぶんといろいろ観させていただいたので、その中から10本を選び出すのはかなり至難の業でした。ほかにも年末に観た『松本竣介展』や森美術館の『アラブ・エクスプレス展』、サントリー美術館の『御伽草子展』、国立西洋美術館の『吉川霊華展』などもベスト10に入れられるなら入れたかった展覧会でした。また、MOA美術館の『開館30周年記念所蔵名品展 岩佐又兵衛絵巻』 では長年観たかった岩佐又兵衛の「山中常盤物語絵巻」を観ることができたのが非常に良い思い出です。


ちなみに、昨年までの展覧会ベスト5/ベスト3はmixiの日記で振り返っていたので、参考までにmixi日記からちょっと引っ張ってきました。

2011年ベスト5
1位 『礒江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異彩』(練馬区立美術館)
2位 『酒井抱一と江戸琳派の全貌』(千葉市美術館)
3位 『写楽展』(東京国立博物館)
4位 『五百羅漢展』(江戸東京博物館)
5位 『包む―日本の伝統パッケージ展』(目黒区立美術館)

2010年ベスト5
1位 『田中一村展』(千葉市美術館)
2位 『レンピッカ展』(Bunkamura ザ・ミュージアム)
3位 『若冲アナザワールド』(千葉市美術館)
4位 『長谷川等伯展』(東京国立博物館)
5位 『歌川国芳 奇と笑いの木版画』(府中市美術館)

2009年ベスト3
1位 『加山又造展』(国立新美術館)
2位 『山水に遊ぶ - 江戸絵画の風景250年展』(府中市美術館)
3位 『皇室の名宝展』(東京国立博物館)

2008年ベスト3
1位 『ヴィルヘルム・ハンマースホイ展』(国立西洋美術館)
2位 『大琳派展』(東京国立博物館)
3位 『木喰展』(そごう美術館)


来年も観たい展覧会が今から目白押しなので、できるだけ多く回り、またブログで紹介したいなと思っています。

拙いブログですが、1年間お付き合いいただきありがとうございました。皆様にとって来年が素晴らしい一年でありますように。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

6 件のコメント:

  1. こんばんは。

    トラックバック有難うございました。

    今年はTwitterやブログで色々と絡んで頂きありがとうございました。来年巳年も積極的にブロガー向けのイベント開催して行きたいと思っています。

    引き続き宜しくお願い申しあげます。

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  2. >Takさん

    コメントありがとうございます。
    こちらこそいつもコメントいただいたり、RTいただいたりありがとうございました。また、いろいろブロガー向けイベントも企画いただき、あらためてお礼申し上げます。いつも大変勉強になり、また楽しい時間を過ごさせていただいています。

    来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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  3. あけましておめでとうございます。

    ベスト10拝見しました。1位は蕭白ショックでしたか!確かに凄い展示でしたよね。通いました。
    去年はボストンにこの千葉と、文字通り蕭白イヤーだったと思います。

    >年末に観た『松本竣介展』

    評判良いですよね。実はまだなので何とか世田谷に駆けつけたいです!

    本年もどうぞ宜しくお願いします。

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  4. >はろるどさん

    あけましておめでとうございます。
    コメントありがとうございます。

    蕭白は千葉美とボストンが同時期にあって、相乗効果で気持ちが高ぶった(笑)んだと思います。
    松本竣介も素晴らしかったですよ。

    自分は現代美術が弱いので、はろるどさんのブログを見て今年は現代美術も勉強したいと思います。

    本年もどうぞよろしくお願いします!

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  5. そえにゃん2013年3月8日 16:33

    こんにちは。はじめまして。
    mixiを中心に活動?しているそえにゃんと申します。
    同じくmixiでの猫友ゆ〜こ♪さん繋がりで前々からお名前は存じておりました。
    私はフツーの猫好きおばさんではありますが、
    市井で暮らす外猫写真撮影をライフワークとしており
    一昨年念願の個展を開催いたしました。
    また子供の頃から自身は不器用なのです(涙)が、美術鑑賞が大好きで、
    月平均2〜6回は美術館に足を運んでいます。
    この記事を拝見して、私もいいと思ったものがあって喜んだり、
    また見逃したものもあって今更ながらに後悔したりで、楽しく読ませて頂きました。
    先頃は「会田誠展」を観に行き、日記を書いたところ
    ゆ〜こ♪さんが、「同じく猫好きで、写真も撮っていて、そして観に行く美術展が
    いつも同じようなマイミクさんがいるのよ」とconrad☆さんの事を紹介してくれました。
    それでこちらのブログにたどり着いたわけです。
    エルグレコと山種は近々行こうと思っていたところでしたので
    大変参考になりました。
    また是非遊びに伺わせて下さいませ。
    私はFBの方で猫写真を時々アップし
    日記は主にmixiに書いています。
    美術館日記は全体公開、ねこばか親ばか日記の一部は友だちの友だちまで公開しておますので
    ご興味がありましたらおいで下さいませ。
    長々と失礼いたしました。

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  6. >そえにゃんさん
    はじめまして。
    自分もゆ~こ♪さんのところでそえにゃんさんのお名前は目にしておりました。
    コメントいただきありがとうございます。
    写真の個展を開くなんて、素晴らしいですね。
    ぜひ写真を見てみたいです。
    FBはやってないのですが、後ほどmixiの方にも寄らせていただきます!

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