といっても、大仏様は来ておりません。当たり前ですが。
それでもなんで、“大仏展”か? まぁ、ちょっと誇大広告的なタイトルという感じもなきにしもあらずですが、要は“大仏造立にかかわる作品を通して、「奈良の大仏」の寺として、現代に至る まで広く信仰を集め、日本文化に多大な影響を与えてきた東大寺の歴史”を辿るものなのだそうです。それならただの“東大寺展”でも良かったような気もする のですが、“大仏”はこだわりなんでしょうね…。
それでも、会場内には、東大寺の大仏殿の前にデーンと置いてある高さ約4.6メートルの「八角燈籠」(国宝)が持ち運ばれていたり、バーチャルリアリティで盧舎那仏(大仏)が再現されていたり、国宝・重文クラスの大変貴 重な仏像や宝物などが展示されていたりと、さすが“東大寺”という力の入れようでした。
「八角燈籠」(国宝)
個人的にとても観たかったのが、国宝の「誕生釈迦仏立像」。お釈迦様の誕生日である灌仏会のときに、この仏さまの頭から甘茶をかけるのだそうです(現在はレプリカを使っているようですが)。下の丸いお椀はその受け皿になっています。こうした誕生仏に甘茶をかける儀式は昔からあって、誕生仏もいくつも現存しているようですが、東大寺のこの「誕生釈迦仏立像」はそうしたものの中で一番大きいのだとか。
「誕生釈迦仏立像」(国宝)
11/2~11/21までは、東大寺にある正倉院の貴重な宝物も展示されています。先日、約1250年間も行方が分からなかった正倉院宝物の幻の大刀が、 実は明治時代に大仏様の足元から発見されていた国宝の大刀だったということが分かり、ニュースで話題になっていましたが、それと同様に大仏様の足元から見 つかった数々の宝物も展示されています。残念ながら、話題の「金銀荘大刀」は展示されていませんでしたが、別の「金銀荘大刀」が展示されており、その大刀 もこれから調査を行うのだとか。また近々新たな発見があるかもしれません。
当然、正倉院の宝物が期間限定展示があるということは、入れ替えになる作品もあるということで、「菩薩半跏像」(重要文化財)や「花鳥彩絵油色箱」(国宝)などが一時お休み中。これらの作品は、11/23からまた展示されるのだそうです。
「伎楽面 酔胡従」(重要文化財)
基本的には年代順に展示されていて、東大寺の創建に始まり、大仏の造立、そして天平の文化を紹介して、鎌倉時代以降の復興にスポットを当てています。鎌倉 時代以降のコーナーには仏像も多く展示されていて、平家による焼き打ちから東大寺を再興させた重源上人の坐像や快慶作の「阿弥陀如来立像」(重要文化財)など素晴らしい作品も多くあります。
「重源上人坐像(部分)」(国宝)
会場の最後のコーナーには、先日三井記念美術館で鑑賞したばかりの「五劫思惟阿弥陀如来坐像」もいらっしゃってました。やっぱりファンキー (笑)
光明皇后1250年御遠忌記念
特別展「東大寺大仏―天平の至宝―」
東京国立博物館にて
12/12(日)まで
http://todaiji2010.jp/
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