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2019/08/24

山口蓬春展

日本橋高島屋の本館で開催の『山口蓬春展 新日本画創造への飽くなき挑戦』(会期終了)を観てきました。

昨年、NHKの『日曜美術館』で山口蓬春の特集を観て以来、蓬春の回顧展があればなとずっと思っていました。蓬春は山種美術館で作品を観る機会が多く、そのモダンでグラフィカルな構図と明るく清澄な色彩に惹かれ、葉山の山口蓬春記念館にも何度か足を運びましたが、かつての自宅を改装しただけの建物なので、それほど作品は多く展示されていません。

ちなみに山口蓬春記念館は、神奈川県立近代美術館葉山から歩いてすぐのところにあり、海岸までも数分という近さ。自然豊かで長閑なとてもいいところです。近代美術館に行ったときにセットで回るといいと思います。

さて、本展は東京では17年ぶりの回顧展ということなのですが、会場がデパートの催事場なのでどうかなと思いましたが、初期から最晩年まで約50点が幅広く集まり、なかなか充実してよい展覧会でした。

デパートの展覧会なので会期が短く、わずか13日間だけ。Twitterとかでアンテナを張ってなければ、あやうく見逃しているところでした。


会場の構成は以下のとおりです:
Ⅰ やまと絵の頂点へ
Ⅱ 蓬春美への飛躍
Ⅲ 南方へ
Ⅳ 蓬春モダニズムの展開
Ⅴ リアリズムの追求
Ⅵ 新日本画への昇華
Ⅶ エピローグ

あまりよく知らなかったのですが、蓬春は子どもの頃から水彩画に慣れ親しみ、東京美術学校でも当初西洋画科に入るんですね。その頃の油彩画が展示されていましたが、ポスト印象派からの影響が見て取れ、戦後マティスやブラック、ホドラーといった西洋近代絵画に近づくことを考えると興味深いものがありました。

山口蓬春 「那智の滝」
昭和4年(1929) 二階堂美術館蔵

日本画に転向してからは松岡映丘に師事。「那智の滝」や「緑庭」など大正から昭和初期にかけての作品には映丘の新興大和絵の影響を感じさせるものが多くありました。サントリー美術館の『遊びの流儀』にも山口蓬春旧蔵の桃山時代の「十二ヶ月風俗図」が展示されていたり、蓬春が描いた「士女遊楽図」が展示されていましたが、この頃は大和絵の習得に熱心だったんだろうなと思います。

山口蓬春 「初夏の頃(佐保村の夏)」
大正13年(1924) 山口蓬春記念館蔵

その後、蓬春は新興大和絵に限界を感じ、映丘と袂を分かつ形で近代的な日本画への道を歩みます。水墨煙雨の右隻に錦秋の左隻という「夏雨秋晴」のようなこれまでの日本画学習の成果を感じる作品もあれば、現代の若い日本画家の作品かと見紛うような新味を感じさせる「初夏の頃(佐保村の夏)」があったり、また同世代の速水御舟を彷彿とさせるような作品や、琳派をよみがえらせたような作品など、この時代の蓬春は新しい時代の日本画の創作にとても意欲的だった様子がうかがえます。

山口蓬春 「泰山木」
昭和14年(1939) 山口蓬春記念館蔵

東京国立近代美術館で蓬春が描いた戦争画を観たことありますが、蓬春は藤田嗣治らと大日本航空美術協会を立ち上げるなど、戦時体制の画壇の中でもその中枢にいたといいます。本展では戦時下の台湾を訪れ描いた「南嶋薄暮」や描くにあたって撮影したという写真が展示されていましたが、蓬春がどのような思いで戦争画やこれらの作品を描いたのか気になるところではあります。

山口蓬春 「夏の印象」
昭和25年(1950) 個人蔵

山口蓬春 「枇杷」
昭和31年(1956) 山口蓬春記念館蔵

戦後になるといわゆる‟蓬春モダニズム”へと画風が大きく展開し、頭の中にある山口蓬春のイメージと繋がります。輪郭線と色面をずらして描いた「夏の印象」やくっきりとした輪郭線で対象を浮き立たせた「枇杷」、蓬春のお得意の紫陽花を描いた「まり藻と花」、そしてメインヴィジュアルにも使われている白熊とペンギンが愛らしい「望郷」など、安定した構図と明るく落ち着いた色彩、そして画面全体に溢れる美しさや清々しさは眺めているだけでとても心地よい気持ちになります。

山口蓬春 「望郷」
昭和28年(1953) 個人蔵

輪郭線が描かれただけの未完の遺作が最後に展示されていました。蓬春はここにどんな色を塗ろうとしていたのでしょうか。


【山口蓬春展 新日本画創造への飽くなき挑戦】
東京会場:2019年8月7日(水)~8月19日(月) 日本橋高島屋S.C.本館8階ホール
大阪会場:2019年8月28日(水)~9月9日(月) 大阪高島屋7階グランドホール

2017/03/05

加山又造展 生命の煌めき

日本橋高島屋で開催中の『生誕90年 加山又造展~生命の煌めき』を観てまいりました。

今回の展覧会は会期が短くわずか2週間。久しぶりの回顧展とあって、仕事帰りに寄ってきました。

加山又造単独の展覧会としては、おととし八王子市夢美術館で『加山又造 アトリエの記憶』がありましたが、都心部でまとまった形で作品が観られるのは2009年の国立新美術館の『加山又造展』以来ではないでしょうか。

加山又造は、かれこれ20年ぐらい前に東京国立近代美術館で観た「雪」「月」「花」の三部作に衝撃を受けてから戦後の日本画家では最も好きな画家で、国立新美術館の『加山又造展』では圧倒され感動しまくっていたのをよく覚えています。


会場はいくつかのテーマに分けて構成されています:
Ⅰ 動物~西欧との対峙
Ⅱ 伝統の発見
Ⅲ 生命賛歌
Ⅳ 伝統への回帰
Ⅴ 工芸

加山又造 「月と縞馬」
1954年 個人蔵

デパートの展覧会なので作品数は決して多くありませんが、それでも約70点。初期のキュビズムやシュルレアリスム風の作品から後期の琳派的な作品や裸婦画、水墨画まで、絵画だけでなく工芸や着物もあってコンパクトに良くまとまっていました。

会場の最初に展示されていた大きな六曲一双の屏風「夏の濤・冬の濤」にいきなり目が奪われます。「夏の濤」は後年の琳派風の波紋を思わせる波の意匠が印象的。「冬の濤」は荒れる波というより風のようにも見え、遠景に又造独特の冬の枯木の林が広がります。

活動初期にあたる50年代の作品が充実していて、この時代の特徴的な動物画が複数展示されています。 キュビズムや未来派、シュルレアリスムといった20世紀の芸術運動から、ルソーやミロ、ブリューゲルといった画家や果てはラスコーの壁画まで、幅広い西洋美術の影響を受けたその作品は最早日本画とは思えないほど。背景に戦後の日本画滅亡論があって創造芸術を目指していたことを考えると納得しますし、先日『日本におけるキュビズム』で観た戦後の日本の美術界のムーブメントとも重なり興味深く感じました。

加山又造 「蟹とレモン」
1955年頃 個人蔵

加山又造 「猫」
1972年頃 個人蔵

国立新美術館の『加山又造展』のときの図録を見る限り、おおかたの作品は重なりますが、何枚か出ていた愛猫を描いた絵や、「雪の朝」や「白雪の嶺」といった山の絵、野鳥の会の表紙絵原画、動物画の中でも10号サイズぐらいのキャンバスに描かれた作品などは個人的にも初めて観るものでした。特に「蟹とレモン」や「鳥とナイフ」、「ヒョウ」といった50年代のモノトーンの小品がとても良かった。

加山又造 「月光波濤」
1979年 イセ文化基金蔵

加山又造 「龍図」
1988年 光ミュージアム蔵

大型の屏風も多くて見応えがあります。又造の水墨の代表作「月光波濤」は東京会場のみの出品。エアブラシや噴霧器、琳派のたらし込みや染色の手法などを駆使し、夜の海の静けさと波の生き物のような躍動の瞬間を見事に表現しています。

「月光波濤」が長谷川等伯の「波濤図」(禅林寺)を意識したものとすれば、「龍図」は俵屋宗達の「雲龍図屏風」(フリーア美術館)を意識したもの。宗達の「雲龍図屏風」が白地に黒に対し、又造の「龍図」は金地に墨を重ねることで、墨の明暗と奔放で勢いのある表現がこれまでにない幻想的で力強い雲龍図を創り上げています。まるで暗黒の異界から龍が浮かび上がってくるようなカッコよさ。又造が手掛けた身延山久遠寺の本堂天井画のあとに制作したものだといいます。

加山又造 「倣北宋水墨山水雪景」
1989年 多摩美術大学美術館蔵

「倣北宋水墨山水雪景」は『加山又造 アトリエの記憶』でも拝見していますが、北宋山水画を手本にしながら、細密画のような微細な表現、明暗を活かした立体感、さまざまな技術を駆使した独自の世界はいつ観ても唸ります。

左隻に満開の桜、右隻に篝火を描いた「夜桜」も日本画の伝統を感じる華やかで幻想的なイメージの屏風。満開の桜は御舟も描いた和歌山・道成寺の入相桜を、篝火は御舟の「炎舞」に着想を得たものとか。御舟の影響を感じさせるものでは桜と炎を一枚に収めた「花篭」も印象的でした。

加山又造 「紅白梅」
1965年 個人蔵

加山又造といえば、琳派の意匠や画面構成を現代日本画の中に再現した代表格。尾形光琳の「紅白梅図屏風」をアレンジした「紅白梅」や、俵屋宗達の「三十六歌仙和歌巻」をベースに鶴を描いたいくつかの作品などがありました。「月と秋草」も宗達から抱一へ連なる月と秋草の意匠が印象的。大方を描き上げてから家族に意見を聞き、細部を調整して仕上げたというエピソードがいいですね。会場のところどころには、琳派の意匠の大皿や花瓶、振袖なども展示されていて華を添えています。

加山又造 「月と秋草」
1996年 奈良県立万葉文化館蔵

会期が短かったのが残念ですが、東京展のあと、瀬戸内市立美術館、新潟県立近代美術館、横浜高島屋、大阪高島屋、京都高島屋に巡回します。


【生誕90年 加山又造展 ~生命の煌めき】
2017年3月6日(月)まで
日本橋高島屋にて


加山又造 美 いのり (Art & words)加山又造 美 いのり (Art & words)

2016/10/17

日本美術と髙島屋

日本橋高島屋で開催中の『高島屋史料館所蔵 日本美術と髙島屋 ~交流が育てた秘蔵コレクション~』を観てまいりました。

本展は高島屋史料館のコレクション展なのですが、高島屋と近代日本画が共に歩んだ歴史が見えて大変素晴らしい内容でした。

京都で創業した高島屋はもともとは呉服屋ですが、明治になると貿易業にも手を染め、海外向けの商品開発にも力を入れたといいます。輸出用に制作された美術染織は、現物は売られてしまってるので、残念ながら多くの作品が原画しか残っていないのですが、京都画壇を中心とした錚々たる画家が腕を奮っていたことに驚きます。

当時の高島屋には画工室というのがあり、職人や画家たちが美術工芸品の製作に腕を振るっていたそうなのですが、中には若き日の竹内栖鳳もいて、会場にはその出勤簿なども展示されていました。

明治の美術工芸品の技術レベルの高さはこれまでもいろんな展覧会で目の当たりにしてきましたが、美術染織においても、たとえば今尾景年が下絵を手掛けた唐織物「秋草に鶉」の精緻な表現は現在では再現不可能だといいます。幸野楳嶺が下絵の「厳島紅葉渓図」なんて、下絵と完成品の友禅が並んで展示されていましたが、単眼鏡で覗いても染織と分からないぐらい忠実に再現されていてビックリします。

大正期の琳派画家として知られる神坂雪佳の「光琳風草花」は下絵とはいえ完成度は高く、実物の写真も展示されていましたが、かなりの傑作と感じました。川端龍子の4曲1隻の大きな屏風「潮騒」があって、これがまた見事。この原画をもとに綴織が制作されたものの、戦争の影響で発表する機会を逸し、最終的には壁掛けに仕立てられ、ヒトラーのもとに渡ったのだそうです。

竹内栖鳳 「ベニスの月(原画)」
明治37年(1904) 高島屋史料館蔵

都路華香 「吉野の桜(原画)」
明治36年(1903) 高島屋史料館蔵

ほかにビロード友禅もあり、『竹内栖鳳展』にも出品されていたビロード友禅の「ベニスの月」の原画をはじめ、山元春挙や都路華香による原画も展示されていました。フランスの大女優サラ・ベルナールが竹内栖鳳原画のビロード友禅を購入したというエピソードが紹介されていましたが、時のジャポニズムもあって日本的情緒を感じさせる作品は人気が高かったのでしょうね。

冨田渓仙 「風神雷神」
大正6年(1917) 高島屋史料館蔵

西の栖鳳があれば東の大観もあり。高島屋は日本美術院再興にも協力的で、大観が高島屋の別荘に滞在し作品制作を行ったり、院展の関西展が高島屋で行われるなど、その関係は深かったようです。大観のほかにも、下村観山や奥村土牛、小倉遊亀、小杉放庵、冨田渓仙など、日本美術院の面々の優品が並びます。

富岡鉄斎 「碧桃寿鳥図」
大正5年(1916) 高島屋史料館蔵

最後の一角には、高島屋創業家の飯田家と飯田家と姻戚関係にあるトヨタ自動車創業家の豊田家から髙島屋史料館に寄贈された作品が特別展示されています。ここがまた富岡鉄斎や川合玉堂、西村五雲、木島桜谷、野口小蘋、都路華香など、なかなかの趣味の良さ。絵画以外にも、当時の婚礼衣装などもあったり、雛人形(なんと平櫛田中!)があったり、さすがの品々です。

原画・北野恒富 「キモノ大阪春季大展覧会」
昭和4年(1929) 高島屋史料館蔵

日曜日の午後ともなれば、デパートの美術館はさぞや混んでるだろうなと思ったら、とても空いていてあっけにとられました。これだけ観られて入場無料というのがすごいですね。


【日本美術と髙島屋】
2016年10月24日(月)まで
日本橋高島屋にて


竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)

2015/05/10

細見美術館 琳派のきらめき

日本橋高島屋で開催中の『細見美術館 琳派のきらめき -宗達・光琳・抱一・雪佳-』を観てきました。

琳派400年を記念しての展覧会。琳派の充実したコレクションで定評のある京都の細見美術館の所蔵作品で構成されています。京都、大阪、横浜と主要都市を巡回してきて、東京が最後。

2週間弱という短い会期で、東京ではゴールデンウィークと重なったので、並んでるかなぁ~と思いながら伺いましたが、それほどの混雑でもなく快適に鑑賞できました。宗達、光悦から光琳、抱一、其一、そして雪佳まで網羅されていて、宗達と光琳の間、光琳と抱一の間といった飛ばされがちな時代や門人の作品なども幅広く紹介されています。


琳派誕生-光悦・宗達の美意識-

会場の最初に展示されていたのが「伊年」印の「四季草花図屏風」。撫子や女郎花、菊、牡丹など草花が60種類も描かれているそうで、まるで植物図鑑。草花に交じり野菜が描かれているのも面白い。本展にはさまざまな絵師の草花図があるので、絵師それぞれの個性の違いや琳派の伝統の継承を観ていくという楽しみもあります。

伊年 「四季草花図屏風」(左隻)
江戸前期 細見美術館蔵

宗達の金銀泥で藤や忍草を描いた下絵に光悦が新古今和歌集の和歌を揮毫した「忍草下絵和歌巻断簡」、大胆な構図と美しい色彩の「伊勢物語図色紙 大淀」、筆さばきが見事な「墨梅図」、じゃれあう白と黒の仔犬が可愛い「双犬図」などどれも素晴らしい。光悦・宗達以外では、落ち着いた風情のある喜多川相説の「秋草花図屏風」が印象的。

俵屋宗達 「双犬図」
江戸前期 細見美術館蔵


花咲く琳派-光琳・乾山と上方の絵師-

光琳は小品ですが3点ほど。「柳図香包」は似た香包が根津美術館の『燕子花と紅白梅』にも展示されていましたね。

尾形光琳 「柳図香包」
江戸中期 細見美術館蔵

ほかに、乾山の皿や筆筒、光琳に師事したという渡辺始興や深江芦舟の作品も。始興の「簾に秋月図」は簾越しに秋草を描いた風情ある作品。芦舟の「立葵図」も水彩画のような淡彩が美しい。

深江芦舟 「立葵図
江戸中期 細見美術館蔵

芳中は結構あって、まるっこくて、ゆるくて、かわいいその図様がたまらないですね。昨年の『中村芳中展』のメインヴィジュアルにも使われていた「白梅小禽図屏風」をはじめ、「月に秋鹿図」や「花卉図画帖」など重なるものもいくつか。

中村芳中 「月に秋草図」
江戸後期 細見美術館蔵


新たなる展開-抱一と江戸琳派-

作品点数としてはこのコーナーが一番充実。抱一は琳派作品はもちろん、初期の肉筆浮世絵や水墨画、仏画なども含めなかなかのもの。なかでも光琳の写しとされる「槇に秋草図屏風」は光琳を通り越し宗達を思わせる華麗さと情緒があって素晴らしい。

酒井抱一 「槇に秋草図屏風」
江戸後期 細見美術館蔵

琳派の展覧会で細美美術館所蔵作品を観ることはままあるので、過去に拝見している作品も多く、「白蓮図」も見覚えがあるなと思って調べたら、出光美術館の『琳派芸術』で観てますね。凛とした佇まいが何とも言えません。

酒井抱一 「白蓮図」
江戸後期 細見美術館蔵

其一の作品は、正に今が季節の「藤花図」や大胆なたらしこみがユニークな「朴に尾長鳥図」、大胆に弧を描いた水辺に写実的な家鴨を配した「水辺家鴨図屏風」、其一らしい意匠性と濃彩の花が美しい「春秋草木図屏風」、双幅の「雪中竹梅小禽図」などどれも其一の個性やセンスを感じます。抱一が賛を寄せた其一の若描きという「文読む遊女図」も風情があっていいですね。

鈴木其一 「朴に尾長鳥図」
江戸後期 細見美術館蔵

抱一門下やその弟子筋にあたる絵師の作品も多く、特に抱一の弟子・田中抱二の「垣に秋草図屏風」の竹垣を巧く使った構図と丁寧な筆致が素晴らしい。裏面が銀箔地の屏風になっているとのことでこちらも観てみたいものです。其一の息子・守一の作品もいくつかあって、其一ほどの巧みさはないものの「業平東下り図」の描表装などは父譲りの感性を感じます。

鈴木守一 「業平東下り図」
江戸後期~明治期 細見美術館蔵


京琳派ルネサンス-神坂雪佳-

最後に近代琳派の雪佳。代表作「金魚玉図」や「蓬莱山図」といった大胆な構図やモティーフのデフォルメの面白さで見せる作品もあれば、「楓紅葉図」のように琳派の伝統を強く感じる作品もあって、どれも興味深い。扇子や工芸品も多く、光悦・宗達や光琳に通じるデザインセンスの高さを感じます。

神坂雪佳 「金魚玉図」
明治末期 細見美術館蔵

デパートの展覧会と甘くみていましたが、とても充実していました。さすが細美美術館。眼福でした。琳派好きにはオススメの展覧会です。


【琳派400年記念 京都・細見美術館 琳派のきらめき -宗達・光琳・抱一・雪佳-】
2015年5月11日(月)まで
日本橋高島屋8階ホールにて


「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン (和樂ムック)「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン (和樂ムック)


京都 琳派をめぐる旅 (京都を愉しむ)京都 琳派をめぐる旅 (京都を愉しむ)