もう4年前になるんですね。DIC川村記念美術館で五木田智央の初の展覧会が開かれたのは。本展はそれ以来の展覧会(ギャラリーは除く)。現代アートはあまり詳しくないし、そんなに観ないのですが、五木田智央は前回の展覧会がとても良かったので、開幕早々早速観てきました。佐倉は遠くて一日がかりでしたが、オペラシティは家から歩いても行けるのでほんと楽(笑)
今回はここ数年の絵画やドローイングなど新作を中心に約40点で構成されています。テーマにまとまりはありますが、DIC川村記念美術館の時のような回顧的な側面は薄く、展覧会というより個展といった方が近いですね。そのあたりは評価の分かれるところかもしれません。個人的には、最近の作品は具象化というか物語性が出てきて面白味を感じています。
五木田智央 「Come Play with Me」 2018年
会場に入ったところには、メインヴィジュアルにもなってる新作「Come Play with Me」。アクリルグワッシュ独特のマットな質感とコントラストの効いたモノクロームの世界。中南米風の陽気な踊り子のユーモラスさと、どことなく淫靡な雰囲気がたまりません。
五木田智央 「Tokyo Confidential」 2015
「How to Marry a Millionaire」 2015
「How to Marry a Millionaire」 2015
顔をつぶした一連のポートレイト。以前は顔が奇妙に歪められたり、幾何学模様で覆われたりしていましたが、今回の展覧会では少しシンプルになったというか(それでも奇妙ですが)、より抽象絵画的になったというか、デヴィッド・リンチぽいというか、これはこれでユニーク。
五木田智央 「Old Portrait」 2016
「Lady Dada」 2016
「Lady Dada」 2016
五木田智央 「Perfect Pair」 2016
「Dear Madam」 2016
「Dear Madam」 2016
もちろんプロレスネタも盛りだくさん。オネエチャンやら狂人ぽい人やら、五木田流の人間表現が面白い。会場の最後の通路には、往年のプロレスラーの似顔絵をアルバムジャケットに描いた「Gokita Records」全225点も展示されています。2002年からこつこつ描いていたシリーズだとか。プロレス好きにはたまらないんでしょうけど、自分はプロレスはほとんど分からないので。。。
五木田智央 「Sacrifice」 2018
「Pure Love」 2018
「Pure Love」 2018
五木田智央 「Easy Mambo」 2018
Easy Mambo」はアクリルグワッシュをのせた撥水性のあるペーパーパレットの上に落ちた紙についた偶発的な模様を連作化したシリーズ。とりあえず手元にあった紙40枚だけを作ったのだとか。五木田の初期作品に抽象的な感じの作品があったので画風が戻ったのかと思ったら、ただの遊び的な作品だったのですね。
五木田智央 「Nursery Staff」 2018
五木田智央 「Los Lobos」 2018
小品を一つの作品にまとめたインスタレーション「Untitled」は前回も展示されていましたが、構成(配置)はたぶん違ってるっぽい。
五木田智央 「Untitled」 2014-15
【五木田智央 PEEKABOO】
2018年6月24日 (日)まで
東京オペラシティアートギャラリーにて
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