で、早速先日、国立新美術館で開催中の『アメリカン・ポップ・アート展』に行ってきました。
現代アートの世界的コレクターとして知られるジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻のコレクションの中から、60~70年代の選りすぐりのアメリカン・ポップ・アートを拝借しての展覧会。総点数が200点を超えるというのだから、その量にも驚きです。
ジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻のすごいところは、単なるコレクターにとどまらず、ポップ・アートが評価を確立する前から、その価値、時代性を見抜き、パトロンとして数多くのアーティストたちの支援を続けてきたところ。世界的にも豊かな日本に、果たしてこれほどまでのコレクター(パトロンであるという意味も含めての)がいるだろうかと考えると、さすがアメリカのコレクターはその規模や活動、心の広さが違うなと思います。
さて、会場は、アメリカン・ポップ・アートのアーティストごとに作品を分け、分かりやすく展示されていました。
ロバート・ラウシェンバーグ 「ブロードキャスト」 1959年
まず最初に登場するのが、ロバート・ラウシェンバーグ。いわゆる“ネオダダ”系のアーティストですね。抽象絵画的な、荒々しい筆致が印象的です。布や新聞紙、オブジェ的なものを貼りつけた上に絵を描くという“コンバイン・ペインティング”が特徴的です。
入口のところに展示されていた「ブロードキャスト」はラジオが内蔵されていて、昔はちゃんと聴けたたのだそうです。<カードバード・シリーズ>という段ボール・アートの作品もありました。日比野克彦がやってたようなことを既に40年前にやってたわけですよね、ラウェンバーグが。
ジャスパー・ジョーンズ 「地図」 1965年
つづいて登場するのが、大好きなジャスパー・ジョーンズ。 ラウシェンバーグも30点ぐらい展示されていたのですが、ジャスパー・ジョーンズの作品もあるわあるわ。展示品リストを見ると50点ほど(組作品含む)あったようです。代表作の“旗”のシリーズや、“標的”や“数字”、“アルファベット”などのシリーズと見応えも十分。個人的には、“地図”のシリーズが好きでした。
上の「地図」は、アメリカ合衆国の48州(アラスカとハワイを除く)の地図をモティーフに木炭で描いたもので、右下の1/4だけ油彩で描かれています。これは、アメリカの国旗を逆さまにしたとも、黒人差別の強かった南部を描き分けたともいわれているようです。
その後もジム・ダイン、クレス・オルデンバーグなどの作品が紹介されています。
アンディ・ウォーホル 「200個のキャンベル・スープ缶」 1962年
そして、ウォーホル。広いスペースに本展の目玉出品の「200個のキャンベル・スープ缶」や、10枚組の「マリリン」や「毛沢東」といった大判のシルクスクリーン作品が展示されています。国立新美術館は天井が高いので、これだけの量の作品を展示しても余裕というか見応えがあります。
ウォーホルの作品は大きく3つの部屋に分けて展示されていて、2つ目の部屋には主にキミコ・パワーズさんをモチーフにした作品が展示されています。自分の写真がウォーホルに使われるなんて、パトロン冥利(そんな言葉があるのか知らないけど)というか、フツーではできないことなので、羨ましすぎます。
ロイ・リキテンスタイン 「鏡の中の少女」 1964年
最後はトム・ウェッセルマンやロイ・リキテンスタインなど。(このあたりはあまり好みではないのでさらりと鑑賞w)
時代的には60~70年代中心で、アーティストによっては90年代の作品まで展示されていましたが、80年代以降に活躍したバスキアやキース・へリングといった新し目(?)のポップアートはありませんでした。主として、ジャスパー・ジョーンズ、ウォーホル、リキテンスタイン、ラウシェンバーグ、オルデンバーグで、コレクターの好み(もちろんその素晴らしさ)とアーティストたちとの親密度を感じつつ、個人コレクター頼みの展覧会の限界のようなものも少しだけ感じたりもしました。それでもアメリカン・ポップ・アートに絞った展覧会で、ここまでのクオリティと作品数が多いものはなかったので、非常にありがたいというか、見応えのある展覧会でした。
【アメリカン・ポップ・アート展】
2013年10月21日(月)まで
国立新美術館にて
アーティストたちとの会話 アメリカン・ポップ・アート誕生の熱気




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