2017/12/10

典雅と奇想

つづいて、静嘉堂文庫美術館の『あこがれの明清絵画』を観た足で、六本木の泉屋博古館・分館で開催中の『典雅と奇想 明末清初の中国名画展』にも行ってまいりました。

こちらは山水画・文人画が中心。その名の通り、とりわけ“奇想派”が充実していて面白い。“奇想派”というと、伊藤若冲や曽我蕭白のような奇想の絵師をイメージしますが、中国の“奇想派”は中国語では“変形主義”、英語では“マニエリスティック”というそうで、山の造形などをデフォルメして、「形」の表現にポイントを置いた個性的な山水画のことを指します。

時代は明末期から清初期に絞られていて、日本でいえばちょうど江戸時代に重なります。泉屋博古館の方は中国画だけで、日本の山水画などの比較展示はありませんが、江戸時代後期に隆盛する南画はこうした明末清初の中国絵画の影響がダイレクトに伝わっているのかな、と頭の中で想像しながら拝見していました。


会場の構成は以下のとおりです:
Ⅰ 文人墨戯
Ⅱ 明末奇想派
Ⅲ 都市と地方
Ⅳ 遺民と弍臣
Ⅴ 明末四和尚
Ⅵ 清初の正統派、四王呉惲

徐渭 「花卉雑画巻」
中国 明・万暦3年(1575) 東京国立博物館蔵

文人画というのは文人、つまり職業画家ではない官僚などがその余技として描いた絵をいいますが、思いのままに走らせた筆の自由さ、墨の戯れに何ともいえない味わいがあります。

徐渭(じょい)の「花卉雑画巻」は呉派文人画らしい趣きのある水墨の花卉図。東博所蔵と泉屋博古館所蔵の2点があって、どちらも薄墨の滲みの具合で花や葉、果実、蟹や魚などを表しているのですが、墨が滲む偶然さを装っているようで、濃淡の具合を導き出す手練はやはり相当なものなのだろうと感じます。徐渭は妻を殺害して獄中生活を送ったというエピソードが凄い。

米万鍾 「柱石図」
中国 明・17世紀 根津美術館蔵

米万鍾 「寒林訪客図」
中国 明・17世紀 橋本コレクション蔵

米万鍾(べいばんしょう)は明末の奇想派を代表する画家であり書家。この世にこんな石があるのかというような奇石を描いた「柱石図」や、最早山なのか何なのか分からない「寒林訪客図」に度肝を抜かれます。具象でもなく抽象でもなく、まるでイメージの産物のような不思議な光景。なるほど奇想派とはこういうものか、という感じがします。

呉彬 「渓山絶塵図」
中国 明・万暦43年(1615) 橋本コレクション蔵

呉彬(ごひん)も明末を代表する奇想派の画家。緻密に描きこんだ奇怪な岩山が縦に縦に伸びる様はとても異様というか、幻想的にも見えます。

李士達 「竹裡泉声図」(重要文化財)
中国 明・16〜17世紀 東京国立博物館蔵

李士達(りしたつ)の「竹裡泉声図」は明末に流行した詩意図という詩を絵画化した作品だといいます。下半分は竹林に囲まれた渓流のほとりで思い思いに過ごす文人達を描いているのに対し、上半分は湧き出る雲の上にそびえる奇怪な岩山。

龔賢 「山水長巻」
中国 清・17世紀 泉屋博古館蔵

龔賢(きょうけん)の「山水長巻」の造形感覚もユニーク極まりないという感じです。淡墨のトーンも独特。邵弥(しょうみ)の「山水図」も面白い。かすれた筆を何度も重ねたような墨の味わいがいいですね。こういう筆致は初めて観ました。淡墨と渇墨で描いた張宏(ちょうこう)の「越中名勝図冊」の大ぶりな山塊も印象的。奇想派の山の造形もさることながら、こんなにも筆法がバラエティに富んでるとは思いませんでした。

漸江 「江山無尽図巻」
中国 清・順治18年 泉屋博古館蔵

漸江(ぜんこう)、石濤(せきとう)、石渓(せっけい)、八大山人(はちだいさんじん)は清初の四画僧といい、最後に一つの章として紹介されています。漸江の「江山無尽図巻」は繊細な筆致で描き出した奇石の景観表現が抜群。長江支流の名勝・白鷺洲を描いたという「竹岸蘆浦図巻」の詩情的な情景も味わい深い。

石濤 「廬山観瀑図」(重要文化財)
中国 清・17〜18世紀 泉屋博古館蔵

石濤の作品が複数あったのですが、重要文化財に指定された作品も多く、日本でも評価が高かったことが窺えます。「廬山観瀑図」は高士が雲海の先にそびえる山と滝を見上げていて、なんとも荘厳かつ幻想的。同じ石濤の「黄山図冊」の繊細さと雄大さもいいなと思いました。

八大山人はこれまで観てきた奇想とはまた違う面白さ。「安晩帖」という20面からなる画帖が展示されていて、わたしが観に行った日は「カワセミ」が展示されたのですが、ほかの作品もスライドで観ることができて、花や野菜にしても、魚や鳥にしても、山水にしても、自由というか、ユーモラスというか、日本でいえば若冲を思わせるゆるさがたまらなく魅力的です。

八大山人 「安晩帖(第10図)」(重要文化財)
中国 清・康煕33年(1699) 泉屋博古館蔵

静嘉堂文庫美術館でも思いましたが、やはり本場の文人画は奥行きが違うというか、墨技やその味わい一つとってもさまざまな表情があるし、脱俗的な日本の南画とは違ってガツンと来ます。


【典雅と奇想 明末清初の中国名画展】
2017年12月10日(日)まで
泉屋博古館分館(東京)


典雅と奇想―明末清初の中国名画典雅と奇想―明末清初の中国名画

2017/12/09

あこがれの明清絵画

静嘉堂文庫美術館で開催中の『あこがれの明清絵画 ~日本が愛した中国絵画の名品たち~』を観てまいりました。

室町時代から江戸時代にかけての日本美術、とりわけ水墨画や花鳥画、さらには狩野派や南蘋派、南画といった作品を知るには避けては通れない中国絵画。日本美術を観れば観るほど、中国絵画を知らずして日本美術は語れないと思うようになり、ここ数年機会があれば積極的に観るようにしているのですが、ちょうど静嘉堂文庫美術館と泉屋博古館・分館で明清絵画にスポットをあてた展覧会がありましたので行ってきました。

まずは静嘉堂文庫美術館から。
こちらは静嘉堂文庫の明清絵画コレクション約70点で構成。明・清代の絵画をただ紹介するだけでなく、サブタイトルにあるように江戸絵画の絵師たちがいかに憧れ、受容していったか、明清絵画が日本美術に与えた影響を交え、丁寧に紹介しています。それにしても自館の所蔵作品でこれだけレベルの高い作品が揃うのですから。恐ろしい美術館です。

会場の構成は以下のとおりです:
はじめに~静嘉堂の明清絵画コレクション
明清の花鳥画
明清の道釈人物・山水画
文人の楽しみと明清の書跡

沈南蘋 「老圃秋容図」
中国 清・雍正9年(1731) 静嘉堂文庫美術館蔵

明清絵画と聞いて、やはり最初に浮かぶのは花鳥画で、本展にも色彩鮮やかで華麗な花鳥画がいくつも並びます。明清の花鳥画をみんな一緒くたにしてしまいがちですが、大きな流れとして、呉派文人画による水墨花卉図の系譜と宮廷画院を中心にした浙派による着色花鳥画の系譜があるといいます。ちなみに浙派は杭州を、呉派は蘇州を拠点にした画派ですね。

会場入ってすぐのところに展示されていた呉派の李日華(りじっか)の「牡丹図巻」は墨の濃淡だけで描かれた牡丹が秀逸。陸治(りくち)の「荷花図」は紅白の蓮の花が主題なのでしょうが、水墨というよりまるで鉛筆画のように繊細なタッチの太胡石に目が行ってしまいます。

余崧 「百花図巻」
中国 清・乾隆60年(1795) 静嘉堂文庫美術館蔵

宮廷画院系では筆者不明の「花鳥図」が印象的。白梅や緋色の椿、つがいの雉やシロガシラなど華麗な花鳥画で、呂紀を彷彿とさせます。余崧(よすう)の「百花図巻」は写実的な折枝画で、色とりどり鮮やかな花がさまざまに咲き誇る様が見事。山種美術館で観た田能村直入の「百花」を思い起こさせます。田能村直入もこうした花卉図巻を手本としたのでしょう。

清代では日本の画家に大きな影響を与えた沈南蘋(しんなんぴん)。展覧会のポスターにも使われている「老圃秋容図」の猫は墨と胡粉で丁寧に毛描きされていて、猫の視線の先にはカミキリ虫がいます。よく見る沈南蘋の作品に比べると、全体的にちょっとあっさりした感じがします。そばには、谷文晁派による模本も展示されていて、文晁周辺でも沈南蘋を学んでいたことが分かります。

李士達 「秋景山水図」(重要文化財)
中国 明・万暦46年(1618) 静嘉堂文庫美術館蔵

山水がまた凄くて、ほとんどが重要文化財。李士達(りしたつ)や張瑞図(ちょうずいと)、趙左(ちょうさ)などの由緒正しい作品が並びます。李士達の「秋景山水図」はこれでもか!というぐらいの屹立した重厚な岩山と山間を漂う柔らかなタッチの雲霧が印象的。よく見ると四阿で語らう2人の人物がいて、そうした人が描かれているといないとではずいぶん印象も違って見える気がします。

谷文晁 「藍瑛筆 秋景山水図模本」(重要文化財)
江戸時代・18~19世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

印象的だったのは藍瑛(らんえい)の「秋景山水図」と、並んで展示されていた谷文晁が模写した「藍瑛筆 秋景山水図模本」。藍瑛は昨年トーハクの東洋館でも特集展示されていましたが、江戸の文人画家に人気があった明代後期を代表する画家。藍瑛の作品に比べて文晁は構図を少しトリミングしたり、色のコントラストや奥行きを工夫したりして、作品としてより完成された感じがあります。

張瑞図は明末の奇想派を代表する画家。書家としても有名で、張瑞図の書跡も展示されていました。「松山図」は近景・中景・遠景という山水図の典型的な描き方ではなく、縦に山を積み重ねた感じが不思議な印象を与えます。張瑞図はこの後に観に行った『典雅と奇想』にも複数の作品が展示されていました。

張瑞図 「松山図」(重要文化財)
中国 明・崇禎4年(1631) 静嘉堂文庫美術館蔵

会場の入口には狩野探幽が模写した山水図と中国画の原本の展示や、パネルでの紹介でしたが、伊藤若冲の「釈迦三尊像」と若冲が原本とした張思恭(ちょうしきょう)の「釈迦文殊普賢像」の関係などが解説されています。

展覧会を通じて、谷文晁や池大雅、浦上春琴ら主に南画の画家たちへの影響がよく分かり、江戸時代の花鳥画や南画のソースとして、とても興味深く感じられました。


【あこがれの明清絵画 ~日本が愛した中国絵画の名品たち~】
2017年12月17日(日)まで
静嘉堂文庫美術館蔵


中国絵画入門 (岩波新書)中国絵画入門 (岩波新書)

2017/12/01

末法展

細見美術館で開催中の『末法展』を観てまいりました。

最初行くのを予定しなかったというか、京都の予定を組んでいたときに『末法展』のことを知らなかったので入れてなかったんですが、評判がいいようなので京近美で『岡本神草の時代展』を観た足で覗いてきました。(おかげで『国宝展』を観る時間が短くなってしまいましたが)

細見美術館は京近美からは歩いてほんの数分のところにあります。ここに来るのも何年ぶり。平日だったということもあってか、自分が行ったときはほんの数人しか来館者がいなくて、部屋(三つの部屋からなってます)の中でただ一人、作品と対峙するという贅沢な瞬間もありました。『国宝展』ではこうはいかない。


『末法展』は夢石庵という謎の個人コレクターが蒐集した日本美術の中から、“末法”をテーマにコレクションを再構成したという展覧会。奈良・平安時代の仏教美術から江戸時代の近世絵画までが並びます。抜群の鑑識眼で戦後60年代までに質の高い美術作品を蒐集したというのですが、個人の蒐集品とは思えない上質なコレクションかつその濃密さにクラクラします。

長谷川等伯 「四季柳図屏風」
桃山時代

石の投げ合いと群舞を描いたユニークな「印地内図屏風」は桃山時代の風俗図としてとても興味深いものがありました。輪になって踊ってたり、歌舞伎踊りなどはよく見かけますが、石の投げ合いというのは初めて観た気がします。最初“印地打”の意味が分からなかったのですが英語名(Injiuchi-Rock Fight Held on Children's Day)を見て納得しました。

こんな応挙初めて観た的な円山応挙の「驟雨江村図」も素晴らしい。長谷川等伯の「四季柳図屏風」は出光美術館の『水墨の風』で観た同題作に似てるなと思ったのですが、どうやら同じ作品のようですね。写真だと分かりませんが、柴垣が胡粉で盛り上げられていて立体的な装飾がされています。

「弥勒菩薩立像」
鎌倉時代

仏画では「胎蔵界曼荼羅」の截金の精緻な表現に驚きます。特に火焔光背(単眼鏡必須)。仏像はいくつかあったのですが、とりわけ興福寺伝来の「弥勒菩薩立像」が美仏。光背や装飾も見事でした。法隆寺伝来の「十一面観音立像」(展示は11/19まで)もちょっとふっくらした寝顔のようなあどけない表情が印象的。

最後の部屋の「金峯山経塚遺宝」はいろんな意味で圧倒されます。経筒だったり金剛鈴だったり仏像(蔵王権現像?)の欠片だったりが山のように積み上げられていて、まるでオブジェ。金峯山経塚に埋葬されていた「金銅藤原道長経筒」が京博の『国宝展』に出展されていて、経筒の中に入っていた道長が書写した経典やさまざまな出土品はこちらに展示されているというのも『国宝展』と時期が重なっているだけに面白い。

「胎蔵界曼荼羅」
平安時代

なんか杉本博司的な臭いがするなぁと思っていたら、途中に杉本博司の映像が流れていて、ああやっぱり絡んでいたんだと。

最後に種明かしというんでしょうか、『末法展』の真の答えがあります。なるほど~という感じです。企画の勝利ですね。


【末法 / Apocalypse -失われた夢石庵コレクションを求めて-】
2017年12月24日(日)まで
細見美術館にて


末法 / Apocalypse失われた夢石庵コレクションを求めて (展覧会図録)末法 / Apocalypse失われた夢石庵コレクションを求めて (展覧会図録)

2017/11/27

岡本神草の時代展

京都国立近代美術館で開催中の『岡本神草の時代展』を観てまいりました。

岡本神草というと、妖艶で奇妙で美人画、いわゆるデロリの画家として有名。デロリの作品は近代日本画の展覧会でもときどき見かけますが、どちらかというと、異端というか、色眼鏡的というか、そういう変な絵を描く人たちがいたね、という感じで正当な評価は得られていなかったように思います。

本展は、岡本神草を中心に同時代のデロリ系の画家の作品を集めた待望の展覧会。デロリとは何だったのか、 あの異様な盛り上がりは何だったのかを探ります。


まだ10代の頃の作品がいくつかあって、ちゃんとしたというか、確かなデッサン力と精緻な表現が見て取れます。変わってくるのは大正3年あたりの作品から。竹久夢二やゴーギャンの模写があったり、それに影響されたような作品がいくつか並びます。

実際の作品が残ってないのか、作品が完成しなかったのか、草稿や未完の作品が多かったのがちょっと残念なのですが、草稿や習作を見ていると神草が構図に苦心していたことがよく分かります。いくつも線を引き、別の紙を重ね、いろいろに試行錯誤している跡が見えます。

元禄あたりの風俗画のような「盆踊(草稿)」 も構図や動きに神草らしさが現れていて、実際にどんな作品に仕上がったのだろう、と興味を引くものがありました。未完に終わった「花見小路の春宵」も舞妓たちが楽しそうで良いのにどうして途中でやめちゃったんだろう、と思うものがあります。

岡本神草 「口紅」
大正7年(1918) 京都市立芸術大学芸術史料館蔵

数少ない完成形の一つで、神草が注目されるきっかけになったのが「口紅」。独特の妖しげな顔に目が行きがちですが、絵具で凹凸を付けた着物の絞りの文様の精緻な描写といい、金銀を配した華麗な色合いといい、とても素晴らしい。写真では分かりませんが、蝋燭の焔も金粉で表現しています。

岡本神草 「拳を打てる三人の舞妓(未成)」
大正8年(1919) 京都国立近代美術館蔵

岡本神草 「拳を打てる三人の舞妓の習作」
大正9年(1920) 京都国立近代美術館蔵

会場の一角に、神草の代表作「拳を打てる三人の舞妓」の断片を含む草稿6点、未完の作品1点、そして一部切り取られた跡のある習作1点が並びます。「拳を打てる三人の舞妓の習作」は展覧会に出品するために制作していたものの間に合わず、舞妓の顔の部分だけを切り取って出品したという作品。分断されていた作品が数年前に接合され、現在は本来の姿を取り戻しています。

「拳を打てる三人の舞妓」は構図的にもまとまっているし、表現性も優れているし、完成しなかったのは惜しいものがあります。仏像の三尊形式をイメージしているのではという指摘があったり、舞妓の顔が仏像の眼差しを想起させたり、これがちゃんと完成されていればと思うばかり。「拳を打てる三人の舞妓(未成)」もこれはこれでいいんじゃないのと思うのですが、本人は納得しなかったのでしょう。一方、「拳を打てる三人の舞妓の習作」は構図は同じですが、色味や着物の表現に違いがあり、確かにより練られている感じがします。ただ、結局煮詰まって一部を切り抜いてしまうとか、神草の性格的なところもあるんでしょうね。

甲斐庄楠音 「横櫛」
大正5年(1916)頃 京都国立近代美術館蔵

会場の要所々々に同時代の画家の作品があって、甲斐庄楠音や稲垣仲静、福田平八郎といった大正時代の名の知れた画家もいれば、木村斯光とか板倉星光とか梶原緋佐子とか初めて聞くような画家もいます。岡本神草と他の画家の作品が2対1ぐらいの割合でしょうか。こうして観て行くと、大正浪漫や大正デカダンスの盛り上がりの中で、京都画壇の一部で流行していたことも伝わってきます。

稲垣仲静 「太夫」
大正8年(1919)頃 京都国立近代美術館蔵

神草はそれほど酷くは感じないのですが、甲斐庄楠音や稲垣仲静になってくると、ちょっとデフォルメしすぎというか、変に強調しすぎという作品もあったりします。高橋由一の「花魁」でモデルになった花魁が完成した絵を見て機嫌を悪くしたなんて話がありますが、デロリのモデルになった舞妓や花魁はどんな風に思ったのでしょうか。とにかく美醜のきわどさの面白さ、官能と不気味のビミョーなバランスが魅力的ではありますが。

菊池契月 「少女」
大正9年(1920) 京都国立近代美術館蔵

デロリとか妖しいといった言葉で簡単に括られがちですが、神草の初期の作品から観ていくと、デロリが写実の追求の中で発展したものであることも分かります。後年、神草は菊池契月に師事し、真っ当な?美人画を描いていて、このまま展開すれば、美人画の名手として名を馳せただろうなと思わせるのですが、38歳という若さで急逝してしまいます。

甲斐庄楠音 「春宵(花びら)」
大正10年(1921)頃 京都国立近代美術館蔵

ちなみに京近美の常設展にも関連コーナーがあって、甲斐庄楠音や菊池契月、梶原緋佐子などの作品が展示されています。こちらは一部作品を除き写真撮影可。


【岡本神草の時代】
2017年12月10日(日)まで
京都国立近代美術館にて


あやしい美人画 (Ayasii)あやしい美人画 (Ayasii)

2017/11/24

国宝展

京都国立博物館で開催中の『国宝展』を観てまいりました。

京博開館120周年&国宝制定120周年、しかも京都では41年ぶりの国宝展。3年前にトーハクで開催された『日本国宝展』は国宝の7分の1が集結ということで話題になりましたが、なななんと今回の『国宝展』はさらに上をゆく4分の1が京都に集まるという空前絶後の展覧会。開催に合わせて『週刊ニッポンの国宝100』なる分冊百科雑誌が創刊されるとか煽るわ煽るわ。これは観に行かないとマズいんじゃないのという空気が美術ファン界隈に充満していました。

行ったのは平日の夕方だったので、並ばずに入れましたが、中は結構な混雑。前の予定が押して、結局1時間半ぐらいしかいられなかったのですが、出品作のボリューム(点数というより内容)と会場の混雑(平日閉館前でも人が減らない)もあって全然時間が足りませんでした。

さて、展覧会は4期に分かれていて、わたしが行ったのは第3期。第3期は過去に拝見している国宝が比較的多かったので、本当は第1期か第2期に行きたかったのですが、そう思うように都合を付けられないのが悲しいところ。とはいえ、されど国宝。これだけの国宝が並ぶ様はさすが壮観で、圧倒されてしまいます。

会場は、順当に回ると3階から順に観て行くかたちになっていて、3階に書跡と考古、2階に仏画や中世・近世絵画、中国絵画、1階に絵巻物や染織、金工・漆工、仏像などが並びます。

(以下、3期について書いてますが、3期は既に終了してます。)

「両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)」(国宝)
奈良時代・8世紀 教王護国寺(東寺)蔵

まずは3階。最初のコーナーとあって、ここはかなりの混雑。目玉の土偶も「漢委奴国王 金印」も最前列で観るには列に並ばなくてはならなくて、いずれも以前観てるし、「金印」はつい先日トーハクで模造を観たばかりなので、ほとんど素通り。

2階も混んでるとはいえ、3階よりまだマシだったのが救い。
《仏画》ではまず現存最古の彩色曼荼羅という東寺の「両界曼荼羅図」。2009年にトーハクで開催された『空海と密教美術展』のときは胎蔵界と金剛界を日にちを替えて展示してたので一緒に観るのは初めて。1000年以上前の曼荼羅図とはいえ、保存状態の良さ、鮮明な色彩に驚きます。

奈良博所蔵の「十一面観音像」も印象的。顔にピンク色の隈取りがされていて、まるで京劇のよう。奈良時代の図像が源流にあるそうですが、こういう観音像は初めて観たように思います。単眼鏡で覗くと、截金の文様もかなり精緻で見事。《仏画》ではほかに西大寺の「十二天像」と東寺伝来の「十二天像」、曼殊院の「不動明王像(黄不動)」 。さすがに三井寺の黄不動は出てこない。

「伝源頼朝像・伝平重盛像・伝藤原光能像」(国宝)
鎌倉時代・13世紀 神護寺蔵

《肖像画》の目玉は「伝源頼朝像・伝平重盛像・伝藤原光能像」のいわゆる神護寺三像。平成知新館のオープン記念展『京へのいざない』でも3幅揃って展示されて話題になったのが記憶に新しいところ。しばらく前からそれぞれ「足利直義像・足利尊氏像・足利義詮像」という説が有力ですが、本展では従来の作品名を使ってました。一度国宝になってしまうと、作品名を変えるのはなかなか難しいのでしょうか。

[写真左から] 伝・周文 「水色巒光図」(国宝)
室町時代 文安2年(1445) 奈良国立博物館蔵
伝・周文 「竹斎読書図」(国宝)
室町時代 文安4年(1447) 東京国立博物館蔵

《中世絵画》では、周文の真筆の可能性が高いとされる「水色巒光図」と「竹斎読書図」が観られたのが嬉しいところ。「竹斎読書図」はトーハクで観てるけど、「水色巒光図」はたぶん初めてじゃないかと思います。詩画軸の最古例の一つという「渓陰小築図」も重厚な感じがあってなかなか。室町水墨画では個人的に大好きな如拙の「瓢鮎図」にも三たび再会。詩画軸が室町時代初頭の漢文学ブームが背景にあるという話は興味深かったです。

狩野派では正信の「周茂叔愛蓮図」と永徳の大徳寺・聚光院障壁画の内「花鳥図襖」。正信の「周茂叔愛蓮図」が『狩野元信展』に出品されなかったのは、こちらに出るからだったんですね。 永徳の「花鳥図襖」は昨年、大徳寺・聚光院での公開時に拝見しましたが、今回は近くで観られたのであらためてまじまじと観てきました。

長谷川等伯 「松林図屏風」(国宝)
桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵

円山応挙 「雪松図屏風」(国宝)
江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵

《近世絵画》は、等伯の「松林図屏風」、等伯の息子・長谷川久蔵の「桜図壁貼付」、応挙の「雪松図屏風」という贅沢に3つの屏風のみ。「松林図屏風」と「雪松図屏風」は東京では毎年のように観る機会がありますが、関西ではこういう機会でもないと観られないでしょうし、人も集まるわけです。部屋の中央には『茶の湯展』でも拝見した「志野茶碗 銘 卯花墻」が置いてあり、「卯花墻」越しに霧に霞んだ松と雪化粧した松を観るというのもなかなかできない体験。

伝・徽宗 「秋景・冬景山水図」(国宝)
中国・南宋時代・13世紀 金地院蔵

これも『京へのいざない』で観てますが、徽宗の「秋景・冬景山水図」がいいですね。枯木の上の2匹の猿と空を舞う2羽の鶴を見つめる高士たち。とりわけ、左幅の高士の後ろ姿のカッコよさに惚れました。

牧谿 「観音猿鶴図」(国宝)
中国・南宋時代・13世紀 大徳寺蔵

《中国絵画》も唸ってしまうような充実ぶり。今年トーハクの『茶の湯展』で念願叶って初めて観ることができた牧谿の「観音猿鶴図」にも再会。今まで長年観ることができなかったのに、まさか1年の間に二度も観ることができるとは。

部屋の中央には「油滴天目」。これも『茶の湯展』につづき1年の間に二度観られるとは。2期に出品されていた大徳寺龍光院の「曜変天目茶碗」と間違えてご覧になってるお年寄りがいましたが…。そういえば、「雪舟はどこにあるんですか?」と係員に聞いているご婦人もいました。。。

「油滴天目」(国宝)
中国・南宋時代・12~13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館蔵

さて1階。中央には今年国宝に指定された大阪・金剛寺の「大日如来坐像」と「不動明王坐像」。平成知新館オープン以来ずっと展示されたままでしたが、本展を終えると金剛寺に戻るのだそうです。国宝にならなかったら、どうするつもりだったんだろうと思うのですが、国宝になることを見越していたのか? ちなみにもう一体の脇侍の「降三世明王坐像」は奈良国立博物館のなら仏像館に展示されています。

《絵巻物と装飾経》には四大絵巻の内、徳川美術館所蔵の「源氏物語絵巻(柏木・竹河)」や「信貴山縁起絵巻(延喜加持巻)」が展示されてます。どちらもそれぞれ単独で公開しても行列ができる超有名な絵巻ですが、それが一緒に観られるのですから、国宝展恐るべしです。

去年の奈良博の『国宝 信貴山縁起絵巻展』で「信貴山縁起絵巻」と一緒に展示されていた「粉河寺縁起絵巻」も再見。上下に焼けた跡が残っていますが、絵が描かれている部分は比較的問題ないのが不幸中の幸い。人物のひょうきんというか稚拙な表現に味わいがあっていいですね。「寝覚物語絵巻」の平安王朝を舞台にした雅さと華やかな料紙の美しさにもうっとり。

料紙の美しさといえば、四天王寺の「扇面法華経」も豪華。金銀の切箔野毛砂子、あと墨流しでしょうか?料紙の美しさに目を奪われます。
…などと挙げだしたらキリがありませんね。ほんと凄い内容でした。

「粉河寺縁起絵巻」(国宝)
平安時代・12〜13世紀 粉河寺蔵

国宝885件の美術工芸品の内、彫刻は134件。彫刻の場合、関西以外にあるものはわずか8件といいます。今回の出品作で、とりわけ絵画の多くは元を辿れば京都から流出したものでしょうから、京都の人にしてみれば、ある意味凱旋展なのかもしれないですね。


【開館120周年記念 特別展覧会 国宝】
2017年11月26日まで
京都国立博物館にて


日本の宝 (ベスト新書)日本の宝 (ベスト新書)

2017/11/18

木島櫻谷 近代動物画の冒険 / 木島櫻谷の世界

木島櫻谷の生誕140年を記念して、京都の泉屋博古館、京都文化博物館、そして櫻谷文庫で開催されている3館連携企画の展覧会に行ってまいりました。

今回京都に行った一番の目的は木島櫻谷の展覧会を観に行くこと。かれこれ4年前になりますが、東京の泉屋博古館分館で観た『木島櫻谷展』に深く感動し、この秋、京都で櫻谷祭り(笑)があるというのですかさず飛んできました。だって、櫻谷クラス(失礼!)のマイナーな画家でこんなに一度にたくさんの作品が観られる機会なんてありませんから。

新幹線もホテルも押さえたあとに展覧会が東京にも巡回することを知ったのですが、結局京都で観た作品の一部しか東京に来ないことが分かって、わざわざ京都まで足を運んで正解だったと思います。

いつ行っても混んでいる京都ですが、今回は時間に余裕をもってスケジュールを立てたのと(いつもここぞとばかり予定を詰め込んでしまうのですが…)、紅葉シーズン前の比較的落ち着いた季節で、しかもお天気にも恵まれ(11月にしてはちょっと暑いぐらいでしたが)、ゆっくりと京都と櫻谷の世界を楽しんできました。



まずは、泉屋博古館の『木島櫻谷近代動物画の冒険』から。
京都東山の麓、鹿ヶ谷にある泉屋博古館。南禅寺や永観堂、哲学の道なんかも近い閑静な住宅街にあります。この日は早めにホテルを出て、ちょうど特別公開をしていた法然院で狩野孝信の障壁画と光信の屏風を観てきました(※特別公開は終了しています)。泉屋博古館は法然院から歩いて15分ぐらい。

法然院は紅葉にはまだ早かったですが、静かでいいところでした。

泉屋博古館は櫻谷の動物画にスポットを当てた展覧会。屏風から掛軸、色紙、写生に至るまで30数点の作品が並んでいました(3期に分かれ、出品作は合計50点)。どれも円山四条派の写生と西洋の写実表現を融合させた近代日本画に相応しい動物画を完成させ素晴らしい。京都画壇といえば、竹内栖鳳も動物画では高い評価を得た人ですが、櫻谷はその動物画をさらに極めた感があります。

木島櫻谷 「熊鷹図屏風」(右隻)
明治37年(1904)

「獅子虎図屏風」や「熊鷲図屏風」なんて近代日本画ならではの傑作ではないでしょうか。獅子も虎も日本画では定番ですが、画家がその目で見て描いたリアルなライオンと(猫っぽくない)ちゃんとしたトラが向かい合う屏風というのが新しいというか素晴らしいというか。熊と鷲の組み合わせというのも初めて観ました。こうしたリアルな写実を水墨で描くのですから唸ってしまいます。鹿にしても馬にしても牛にしても猪にしても狸にしても何を描かせても巧い。そして表情がまたいい。

木島櫻谷 「かりくら」
明治43年(1910) 櫻谷文庫蔵

近年、櫻谷文庫から表装もないマクリの状態で発見され、今年修復を終えたばかりという「かりくら」がまた傑作。明治44年にローマ万国美術博覧会に出品された後、長い間行方不明だった幻の作品で、発見された当時の写真が並んでありましたが、よくこんな酷い状態からここまで修復されたなと驚くぐらいボロボロ。かなり大きな対幅の大作で、臨場感溢れるダイナミックな構図と、疾走する馬の迫力ある描写がまた凄い。比較的明るい色を使った豊かな色彩、ススキやその間に花を咲かせる秋草の描写も実にいい。

木島桜谷 「寒月」
大正元年(1912) 京都市美術館蔵

2014年の『木島櫻谷展』で感銘を受けた作品の一つ「寒月」も出品されていました。月に照らされた雪の上を歩く一匹の狐。遠目に見ると、なんとなく動物の愛らしさを感じるのですが、近くで見ると、野性の動物本来の鋭い目つきと周囲を警戒する緊張した表情にハッとします。雪はただ白いだけでなく、粗い岩絵具を使うことで、雪が反射するようなキラキラしたマチエールを再現。狐の茶の毛にちょんちょんと白い冬毛を描き入れ、スーッと直線に描いた竹も墨の濃淡で微かな陰影や節を丁寧に描き込んでいます。夏目漱石が酷評したことでも有名ですが、ただの写実にとどまらない白と黒の繊細な表現性、奥行き感のある構図、とても素晴らしいと思います。

「葡萄栗鼠」も前回観て一目惚れした作品。葡萄を食べた後?の手を舐めてる栗鼠がかわいいんだけど、生い茂る葡萄の葉やたわわに実る葡萄、力強く伸びる幹やしなやかな蔓のそれぞれの筆致や色合いが巧みで、今回あらためて観て、櫻谷やっぱりいいわと実感するのでした。

木島櫻谷 「葡萄栗鼠」
大正時代

2014年の櫻谷展で観た作品も複数ありましたが、今回初めて観る作品も多くあって、中でも前回展示替えの関係で観られなかった最晩年の作「角とぐ鹿」が特に目を惹きました。鹿の首の曲げた向きといい、毛の質感といい、樹木の立体表現といい、奥行きを感じさせる構図といい、素晴らしいの一言です。

木島櫻谷 「角とぐ鹿」
昭和7年(1932) 京都市美術館蔵

スケッチ帳や動物の写真のスクラップ帳などもあり櫻谷が動物研究に熱心だったこともよく分かります。芦雪の作品の模写もありました。展示室の外には櫻谷の絵具の入ったトランクが展示されています。こちらだけ写真撮影可。

なお、こちらの『木島櫻谷 近代動物画の冒険 』は東京の泉屋博古館分館にも巡回します(詳細はページ下を参照)。



つづいて京都文化博物館で『木島櫻谷の世界』。
こちらは櫻谷と交流のあった大橋家から京都府に寄贈された作品を中心に構成された展覧会。動物画に限らず、人物画や風景画、花卉画、水墨画、さらには絵葉書帖や扇絵などもあり、幅広く櫻谷の画業を観ることができます。文博の特別展ではなく、常設展コーナーの奥の特集展示という扱いですが、50点近くと出品作も多く(師の今尾景年らの作品も数点あり)、泉屋博古館の展示に勝るとも劣らない充実ぶりでした。

木島桜谷 「初夏・晩秋」
明治36年(1903) 京都府(京都文化博物館管理)蔵 (展示は12/10まで)

木島桜谷 「しぐれ」
明治40年(1907) 東京国立近代美術館蔵
(※泉屋博古館で11/8まで展示)

中でも今回初公開という「初夏・晩秋」が傑作。右隻が初夏、左隻が晩秋で、鹿の角で季節が分かるのも面白い。櫻谷といえば鹿というぐらい、鹿を描いた作品がたくさんあって、第一回文展で日本画最上位を受賞した「しぐれ」は櫻谷を代表する傑作ですが、鹿の親子、季節の風情など共通するものがあり、「初夏・晩秋」があって「しぐれ」に繋がったことがよく分かります。しかもこれ、20代の作品ですからね。凄い。

櫻谷は狸を描いた作品も多い。竹藪から狸がひょっこり出てきたという感じの「月下遊狸」も憎めない顔で愛嬌があるのですが、靄で霞んだ山桜や竹の表現がまた秀逸。仔犬を描いた「狗児」は可愛すぎ。芦雪も顔負けです。

木島櫻谷 「群禽」
大正時代 京都府(京都文化博物館管理)蔵

カワセミやメジロ、インコなどさまざまな種類の小鳥が群れ飛ぶ「群禽」も見事。自然ではありえない光景ですが、鳥の飛ぶ姿も千差万別、描写も的確で、それぞれの形や色彩に変化があってとても面白いと感じました。

風景では「飛瀑」が印象的。滝がハイキー気味に白く、まわりの岩肌や木々とのコントラストが素晴らしい。人物では「僊客採芝図」がいいですね。どことなく大観や観山あたりの影響を感じるところもあります。

木島櫻谷 「僊客採芝図」
大正15年(1926) 京都府(京都文化博物館管理)蔵

文博の方は図録はありませんが、8ページもののカタログを無料でいただけます。ちなみに、来年東京の泉屋博古館分館で開催される木島櫻谷展には文博から2点のみ出品されるとのこと。泉屋博古館の展覧会の図録に「初夏・晩秋」と円山四条派風の「孔雀図」が載ってましたので、恐らくこれが行くのだと思います。



そして最後に、櫻谷文庫に訪問。
櫻谷の旧邸内に櫻谷の作品や草稿、愛用の品々、孫のために作った打掛などが展示されています。説明してくれる方がいてさまざまな話を聞けますし、いろいろ質問にも答えていただけるのが嬉しいですね。櫻谷は下戸だったそうで、虎屋の羊羹が好物で、エジプト煙草を愛飲していたという話も教えていただきました。

木島桜谷 「画三昧」
昭和6年(1931年) 櫻谷文庫蔵

櫻谷の作品も写生中心ですが展示されていて、前回の『木島櫻谷展』で強く印象に残った「画三昧」も展示されていました。フツーに室内に、ケースに入るわけでもなく、そのまま掛けられていてビックリ。絵を描く櫻谷の姿を思わせ、とてもいいですね。ほかにも部屋の装飾や茶碗などに描かれた絵も櫻谷だったりして、これも櫻谷ですか?これも?と尋ねながら観て歩いてました。ここだけ洛西なのでちょっと離れてますが、時間があれば是非。



帰りに、櫻谷文庫から歩いて10分ぐらいの北野天満宮にお詣り。宝物館では国宝「北野天神縁起絵巻 承久本」が特別公開されています(※公開は12/3まで)。

展示は「清涼殿霹靂の段」と「海路西下の段」のみですが、「承久本」の公開はなんと15年ぶりとか。ほかにも長谷川等伯の「昌俊弁慶相騎図絵馬」(重要文化財)も展示されています。巨大な絵馬でビックリするし、絵もこれが等伯かというインパクト。

門前のあわ餅澤屋さんの粟餅も美味しかったですよ。京都では美味しいものもたくさん食べてきました♪



【木島櫻谷 近代動物画の冒険 】
2017年12月3日まで
泉屋博古館にて

【木島櫻谷の世界】
2017年12月24日まで
京都文化博物館にて

【木島櫻谷旧邸 特別公開】
2017年12月3日まで(金土日祝のみ)
櫻谷文庫にて


※巡回情報:
【木島櫻谷- PartⅠ 近代動物画の冒険】
東京・泉屋博古館分館にて 2018年2月24日~4月8日
【木島櫻谷- PartⅡ 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し】
東京・泉屋博古館分館にて 4月14日~5月6日