2016/05/27

團菊祭五月大歌舞伎

『團菊祭五月大歌舞伎』に行って来ました。

去年はちょっと歌舞伎から足が遠のき、歌舞伎座に行くこともあまりなかったのですが、今年に入ってからまたちょろちょろ観てまして、今月は昼も夜も拝見したので、メモ程度に。

昼の部は幕開けて3日目に観劇。
最初は54年ぶりの上演という新歌舞伎の『鵺退治』。すいません、この手の時代狂言はあまり好きでなく…。淡々と物語が進んで、最後に変な化け物が出てきて盛り上がるかと思いきや、どこかゆるく。可でもなく不可でもなく。

つづいて『寺子屋』。期待と不安が入り交じりつつ臨んだ海老蔵の松王丸。先にご覧になった方々の感想を小耳に挟んで、もっと酷いかのと覚悟してたのですが、思ったほど悪くなかったように思います。海老蔵ならこんなものかなと。それより気になったのが松緑の武部源蔵で、なんかテンションが高くて落ち着かない。戸浪役の梅枝も釣られてしまってるように映りました。千代役の菊之助は安定感がハンパない。1人だけ格が違う感じです。

『十六夜清心』は黙阿弥でも有名な話なのに何故かあまりかからないので初めて観ます。清心の役が意外に難しいんだろうかと観ていて思いました。菊之助は芝居が真面目だから、ここが笑っていいところなのかどうか迷ってしまう。そのへん菊五郎や仁左衛門なんて上手かったんでしょうね。まあ観たのが3日目だし、清心は初役なので回を重ねれば、もっと馴染んでくるんでしょう。時蔵の十六夜はいいですね。正に適役。

昼の部最後は『楼門五三桐』。旧・歌舞伎座のさよなら公演と同じ顔合わせ。播磨屋のでっかい五右衛門、音羽屋の清々しい真柴久吉。もう最高です。気持ちよく打ち止め。

そして夜の部。こちらは21日に鑑賞。
まずは菊之助の長男・寺嶋和史くんの初お目見得となる演目『勢獅子音羽花籠』。音羽屋、成田屋の面々以外にも、吉右衛門や彦三郎、左團次、梅玉、時蔵、雀右衛門など豪華。若手も松也と巳之助が獅子舞で華を添え、お祝い気分を盛り上げます。初日の様子をテレビで拝見しましたが、この日も手で顔を隠して、ご挨拶できず。最後に手を振るところは同じで、最早これも芸の内?(笑)

つづいて『三人吉三巴白浪』。菊之助・海老蔵・松緑の花形による大川端。過去に菊之助・愛之助・松緑で通し狂言を観たことがありますが、大川端だけじゃなくて、ちゃんと通しで観たいなと思わせる顔合わせ。きっと見応えあるでしょうね。

『時今也桔梗旗揚』はちょっと苦手な狂言なのですが、「馬盥」がとても良かった。松緑の正にワンマンショー。光秀を思う存分たっぷり演じてて見応えありましたし、ピーンと張り詰めた緊張感が凄かったです。ぐいぐい芝居に引き込まれて、食後の眠気も吹っ飛びました。

最後は海老菊の「男女道成寺」。二人の花子で登場する序盤は、流石に菊之助と海老蔵では踊りのレベルが違うというか、海老蔵が滑稽に見えてしまうのですが、それを逆手に取ったその後の展開。とても楽しめました。なんだかんだいって海老蔵は華がありますし、美しい菊之助との「男女道成寺」は正に眼福でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿