2010/10/13

ヘッダ・ガーブレル

先日、新国立劇場で大地真央主演の舞台『ヘッダ・ガーブレル』を観てきました。

別に大地真央のファンなんかじゃないんですよ。
宝塚だって一度も観たことないし、何を隠そう、ミュージカルって嫌いなんです。

この『ヘッダ・ガーブレル』というお芝居、高校のとき読んでハマった大好きな戯曲。一度ナマの舞台で観たいなとか思っていて、去年、小沢真珠主演の舞台というのもあったんですが、ちょっと自分の思い描くイメージではなくてパスしたところ、今回、大地真央が主演ということで飛びつきました。

主人公のヘッダという女性、まぁ、ほんとに身勝手で嫌なオンナ。いいとこのお嬢さんで、美人で、ちやほやされて自由奔放に育ったから、プライドだけは高いし、男の扱いも心得てるし。そんなお嬢さんが、格下の学者と結婚して、男はヘッダに不自由な思いをさせてはいけないと、親戚に借金までして、長々と新婚旅行に行って、お城みたいな屋敷まで買って、家具も揃えて。でも、ヘッダは退屈だとか何だとか不満たらたら。

こんな高慢ちきで狡猾な女を、さあ誰が演じるか。
ヘッダ役は難役として有名で、海外でもイザベル・ユベールとかイングリッド・バーグマンとか、ケイト・ブランシェットとかケリー・マクギリスとか、それなりの演技派女優が過去に舞台で演じてきてます。

大地真央って、とても冷たそうで、気位が高くて、普段の彼女から浮かぶイメージにはそんな印象すらあるのに、演じる役はオードリー・ヘップバーンみたいな役だったり、頭の切れるスマートな女性とか、そんなのばっかり。今回よくもまぁ、こんな役を引き受けたなと思うんですが、彼女もミュージカルとかお姫様みたいな役ばかりじゃいけないと思っていたんでしょうかね。

でも、そんな大地真央、劇評がとてもよくて、実際、抑えた演技の中にも気迫がこもって、とても良かったです。第一幕の最後なんて、目に涙を湛えながらの熱演でビックリしました。いくつか劇評を読むと、大地真央の迫真の演技の割りに、まわりの共演者が今ひとつみたいな声もあったんですが、自分が観に行った日はちょうど楽日ということもあって、みなさん熱が入っていて、とても良かったと思います。 今後、大地真央がどんな舞台に挑戦するか、ちょっと楽しみになりました。

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