2014/08/14
百物語 FINAL
白石加代子の『百物語』のファイナル公演を観てきました。
締めを飾るのは、三島由紀夫の『橋づくし』と泉鏡花の『天守物語』。一番最後は『天守物語』と決めていたそうです。
ファイナルはいつもの岩波ホールではなく、東京でも何ヵ所かで公演があるのですが、やはり『百物語』を観るなら岩波ホールの大きさ(狭さ) が一番だと思ってるので、吉祥寺シアターでの公演を選びました。これが正解。一人芝居を見るには程良い大きさで、また客席と舞台との距離も近く(白石さんは緊張するとおっしゃてましたが)、また今までにないぐらいの良席だったこともあり、間近で白石さんの芝居を拝見できて大満足。
さて、まずは『橋づくし』。中秋の名月の夜に7つの橋を渡って願掛けをする4人の女性の悲喜交々を描いた作品で、それぞれ個性的な若い女性を巧みに演じ分けるのですが、それがまた可笑しい。三島の作品がそもそもユーモラスなのか、白石さんの演技がコミカルなのか。オチは途中で読めてくるのに、それを白石さんがどう見せるか、それがたまらないのです。隣の席のおばさんがケタケタよく笑ってました。
そして『天守物語』。原作は何度も読んで、歌舞伎も演劇でも観た大好きな鏡花作品。あれだけの登場人物(17人!)を一人で演じるのだから大変です。二人の黒子が白石さんの手となり足となり頑張っていました。
白石加代子が『天守物語』をやるという時点で、まぁだいだい想像していましたが、これがまた楽しい『天守物語』で、まさに白石ワールド。富姫はともかく、おきゃんな亀姫や滑稽な朱の盤坊、極めつけは舌長姥で、まぁその姿が似合うこと似合うこと(笑)
それでも図書之助が出てくると、舞台は一気に引き締まり、図書之助と富姫の二人の言葉の応酬から目が離せません。禁断の恋の熱情と切なさが胸を締め付けます。
まだまだ次の話を聴きたいところではありますが、次の話を聴くと白石加代子がもののけになって出て来るというのでやめときます(笑)
白石加代子さん、長い間おつかれさまでした。
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恐くて不思議な話が好き―白石加代子の百物語
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