烏丸通りの四条と五条のちょうど中間という京都の真ん中にある古刹・因幡堂(平等寺)。幾度となく京都には訪れているのに、これまで縁がなく行ったことがなかったのですが、展覧会が評判が良いようなので、お寺とセットで回ってみました。
因幡堂は平安時代の創建で、かつては七堂伽藍を備える大きなお寺だったようですが、幕末の蛤御門の変で全て焼失。いまは明治時代に再建された本堂のみのこじんまりとしたお寺です。展覧会を観た足で因幡堂にお参りに行きましたが、お寺の入り口には奉納提灯がずらりと並び、お参りに訪れる人も多く、賑わっていました。
龍谷ミュージアムからだと、バスだと少し歩いて堀川五条か烏丸通りの烏丸七条まで出て烏丸松原まで行くのですが、バス停での待ち時間を考えると歩いても20分ぐらいなのであまり変わらないようです。自分はちょっと時間の関係でタクシーで行きましたが、10分もかかりませんでした。折角ですから、展覧会と一緒に回るといいと思いますよ。
「薬師如来立像懸仏」
明治19年(1886) 平等寺蔵
明治19年(1886) 平等寺蔵
さて、展示会は龍谷ミュージアムの4階のワンフロア―。1階のロビーには因幡堂の本堂向拝の軒下に掛けられた懸仏が展示されています(これだけ写真撮影可)。外縁、特に対の昇龍や薬師如来の上部の天蓋など精巧な彫刻が大変素晴らしく、明治時代の工芸のレベルの高さを実感します。
会場の入り口に入った途端、広いフロアーに絵巻やら仏像やら沢山並んでいるのが見渡せて思わずオーッとなってしまいました。平安時代創建の古刹だけに寺宝は素晴らしく、鎌倉時代後期の作という「因幡堂縁起」(重要文化財)は本尊の薬師如来が因幡の海から引き上げられて京に飛んできたというストーリーが素朴なタッチで分かりやすく描かれていて見入ってしまいます。
仏像は20躰近くあって温和なお顔が印象的な11世紀の作という本尊・薬師如来像や古式の清涼寺式釈迦如来像、近年の調査で秀吉が建立した大仏殿の大仏に関わったとされる康正の遺作であることが分かったという弘法大師坐像、やたら大きい大黒天などなど、見応えがあります。ほかにも鈴木松年の迫力ある金剛力士像など見事でした。
【企画展 因幡堂平等寺】
2019年6月9日(日)まで
龍谷ミュージアムにて
京都 傑作美仏大全 (エイムック)
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